64年ぶり3歳牝馬による有馬記念制覇!レガレイラ鼻差で競り勝つ

有馬記念、歴史に刻まれたドラマ「信じられん…レガレイラか…」

祐一は、カウンター越しに美咲の顔を覗き込んだ。テレビに映し出される、鮮やかな勝負服を着たレガレイラが、有馬記念の優勝カップを掲げている

「ダービー馬のダノンデサイルを差し切ったなんて、すごいね。しかも、1960年以来の3歳牝馬の優勝だって」美咲は、いつもの妖艶な笑みを浮かべながら、グラスを傾けた。

「そういや、今年の有馬記念はスローペースだったみたいだな。最後の直線で、レガレイラとシャフリヤールの追い比べが凄かったって」祐一は、新聞記事を読みながら、うなずいた。

「俺の本命のベラジオオペラは4着だったけど、レガレイラとシャフリヤールが強すぎたな。特にシャフリヤールは、スローペースのレースでよく伸びてきたと思う」美咲は、祐一の方を見て、意味深な笑みを浮かべた。

「祐一くんも、シャフリヤールみたいにもっと積極的になればいいのにね」

「え?」祐一は、美咲の言葉に顔を赤らめた。「だって、祐一くんっていつも優柔不断で、決断できないところがあるじゃない。もっと自分の気持ちに正直になって、行動してみたら?」美咲の言葉に、祐一は複雑な気持ちになった。

「でも、俺には…」「自信がない?」美咲は、祐一の言葉を遮り、優しく微笑んだ。「誰でも最初はそうだよ。でも、一歩踏み出してみれば、きっと何かが変わるかもしれない。ほら、レガレイラだって、最初は他の馬に比べて目立たなかったかもしれないけど、最後の直線で素晴らしい脚を見せたじゃない」美咲の言葉に、祐一は心を打たれた。

「そうか…俺も、もっと頑張ってみようかな」祐一は、グラスを空にして、立ち上がった。「今日はどうもありがとう。美咲さんの話、励みになりました」「こちらこそ、どうも。またゆっくり話そうね」美咲は、笑顔で祐一を見送った。バー「夜蝶」を出た祐一は、冬の夜空を見上げた。

今日は風が強かった。ニュースによると、日中の気温の上昇に伴って陸地が急速に暖められ、強い上昇気流が起こったためだという。まるで、自分の心の中が、何か大きく変わりそうな気がした。

数日後、祐一は美咲に相談を持ちかけた。「美咲さん、実は、仕事をやめて、新しいことを始めようと思っています」美咲は、驚いた表情で祐一を見つめた。「それは、素晴らしい決断ね。応援しているわ」美咲の言葉に、祐一は力強く頷いた。

有馬記念でレガレイラが見せたような、最後の直線での力強い走り。祐一も、自分の人生というレースで、最後の直線を走り抜けるつもりだった。

有馬記念/中山芝2500mG1

  • 1着△レガレイラ/3歳牝馬/5番人気
  • 2着  シャフリヤール/6歳/10番人気
  • 3着△ダノンデサイル/3歳/2番人気
  • 4着◎ベラジオオペラ
  • 単勝8番1,090
  • 馬連8-16/20,470
  • 3連複1-18-16/20,850
  • 3連単8-16-1/196,520

※木村哲也調教師は、オークス、秋華賞のチェルヴィニアにつづく今年3つ目となるBIGタイトルの有馬記念制覇であった。共に生産牧場はノーザンファームで馬主がサンデーレーシング。

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