4歳四強の死角と5歳の逆襲。日経新春杯「波乱の使者」を炙り出す
よう、同志諸君。本命が「銀行」に見えるなら、俺たちの仕事はその銀行を襲う計画を練ることだ。今回は、前走から斤量が動いた「変化」に注目して、三頭の穴馬を料理してみようじゃないか。こいつらは、自分自身の過去を脱ぎ捨てて、新しい姿で淀に現れるぜ。
穴馬3傑
1. ヤマニンブークリエ:前走比マイナス2.0kgの解放感
(4歳牡馬/前走比:-2.0kg)
前走の菊花賞は大敗したが、今回は自分自身との戦いにおいて2kgも身軽になった。これはデカい。セントライト記念の2着は、確かに展開に恵まれた面もある。だが、あの時より脚取りが軽くなるなら話は別だ。
特にこいつは、ロスなく立ち回ってこそのタイプ。**「マイナス2kg」の恩恵と「内枠」**が重なった時、淀の直線でスルスルと伸びてくる芦毛の姿が目に浮かぶぜ。恵まれた過去を、実力に変えるチャンスだな。
前走考察
1. タイムと指数の比較まずは勝ち馬エネルジコや上位馬との数字上の比較を行います。
項目 ヤマニンブークリエ 1着:エネルジコ 差 / 評価
走破タイム 3.06.4 3.04.0 2.4秒差(致命的)
上がり3F 37.3 35.0 2.3秒差
通過順位 2-2-6-8 15-14-8-4 対極の競馬
平均ハロン 12.42 12.27
考察:スタミナの限界値
京都芝3000mの推定タイム(重不)が3.08.5であることを考えると、走破時計の3.06.4自体は馬場状態(稍重)を考慮すれば絶望的な数字ではありません。しかし、勝ち馬が3.04.0という良馬場並みの時計でまとめたのに対し、ヤマニンブークリエはラストで大きく失速しています。
2. 展開面での分析
今回のレースは**「スローペース」**と定義されていますが、ラップタイムを見ると非常に特殊な動きがあります。
道中のラップ: 1000m(11.6)や後半の11秒台連発など、中盤で緩んだ後にロングスパート合戦となっています。
ヤマニンブークリエの動き: 2番手という積極策を取りましたが、4コーナー(通過順8番手)で既に余力がなくなっています。
致命的な上がり差: 上がり3F 37.3は、出走馬中でブービー(17位)の数字です(最下位は逃げたジーティーアダマンの42.0)。スローペースで前方にいながらこの上がり時計は、完全に脚が上がったことを示しています。
3. 馬場適性と血統的背景
当日は「小雨・稍重」というタフなコンディションでした。
• 斤量57kgの影響: 3歳馬にとって、稍重の3000mで57kgを背負い、かつ先行する競馬は最も体力を消耗します。
• 横山典弘騎手のコメント: 「よく頑張ってくれた」という短いコメントは、現状の力は出し切った(=能力の限界、あるいは距離の限界)ことを示唆することが多いです。
4. 総評と今後の展望ヤマニンブークリエの今回のパフォーマンスを指数化して評価すると以下のようになります。
先行持続力指数:40 / 1002400m付近までは食らいついたものの、ラスト3ハロンで上位馬から1秒以上の差をつけられており、現時点での「純粋なスタミナ」はGI級の長距離戦には届いていません。
ポジティブな要素
• ゲートセンス: 18頭立ての多頭数でスッと2番手を取れる先行力は大きな武器です。
• 精神力: 16着という結果ですが、大差負けした17・18着馬とは違い、最後までレースを投げてはいません。
今後の狙い目
3000mは明らかに長すぎた印象です。今回の敗戦で人気を落とすようであれば、2000m〜2200m前後の良馬場で見直しが必要です。特に今回の「稍重での3000m激走」が、次走で「距離短縮+スピード勝負」に変わった際、スタミナの裏打ちがある先行馬として穴をあけるパターンが期待できます。
2. コーチェラバレー:前走比マイナス3.0kgの「禁断の身軽さ」
(4歳牡馬/前走比:-3.0kg)
こいつはさらに過激だ。前走からなんと3kgも斤量を落としてきた。菊花賞ではゲルチュタールの影に泣き、進路を切り替えるロスがあっての7着。前走の2勝クラス(グッドラックH)は先行して上がり35.7秒の完勝。着実に力をつけているのは明白だ。
過去の傾向では、これほど軽量の馬が馬券になるのは珍しい。だが、「前走より3kg軽い」という羽が生えたような状態なら、そのジンクスさえも置き去りにする可能性がある。安定感が増した今、この軽さは脅威以外の何物でもないぜ。
前走考察
1. タイムと指数の比較レースタイムの評価
走破タイム: 2.33.6推定タイム(良): 2.33.0推定タイムより0.6秒遅い決着となりましたが、これは展開(スローペース)が大きく影響しています。ラップタイム分析中盤の1100m〜1300m付近で「13.1 – 12.9」と大きく緩んでおり、典型的な後傾ラップの展開です。
上がり3F(600m): 36.1(レース平均)
コーチェラバレーの上がり: 35.7レース平均より0.4秒速い上がりを、馬群の内側から繰り出しています。中山芝2500mというスタミナコースにおいて、ラスト3ハロン目から「11.3 – 11.9 – 11.8」と速いラップが続く中、内を突いて抜け出した機動力は特筆に値します。
2. パフォーマンスの特筆点
立ち回りの質の高さ通過順位は「5-5-7-4」となっており、道中は好位〜中団の内々で死んだふりをする理想的な経済コースを通っています。C.デムーロ騎手が「3、4コーナーで内が開いたところを突いた」とコメントしている通り、コーナーリングでの加速(内小回り適性)が非常に高く、ロスを最小限に抑えつつ、一瞬の脚で他馬を突き放したことが勝因です。
相手関係の比較2着:
• ピックデムッシュ(ルメール騎手・1番人気)上がり35.5(出走馬最速タイ)で追い上げましたが、1 1/2馬身(約0.2〜0.3秒差)届きませんでした。
ルメール騎手の「エンジンがかかるのに時間がかかる」というコメントに対し、コーチェラバレーは**「即座に反応する機動力」**で差をつけました。
13着:ボンドロア(逃げ馬)上がり39.9と大失速。前が崩れる中で4番手から押し切ったコーチェラバレーの持続力は、同クラスでも上位です。
3. 今後の展望
推定能力値今回の2勝クラス勝ちにより、3歳馬(現時点)としては非常に高い中山適性と長距離適性を示しました。
コース適性: 右回りの小回り、特に中山の内枠・内を通る競馬がベスト。
距離適性: 2500mをリラックスしてこなしており、今後の3000m級(阪神大賞典や天皇賞・春のステップレース等)でも崩れない安定感が見込めます。
次走への懸念材料今回は「内が綺麗に開く」という展開の恩恵もありました。3勝クラス(準オープン)に昇級した場合、より厳しいマークや淀みのないラップになった際、今回のような**「35秒台の瞬発力」**を維持できるかが鍵となります。
結論:数字上はスローペースの恩恵を受けた勝利に見えますが、上がり3F 35.7秒という数字は、中山2500mの重賞(有馬記念等)でも勝ち負けに必要な瞬発力に匹敵します。単なる展開勝ちではなく、**「中山長距離の適性が極めて高い」**ことを証明した一戦と言えます。
3. オールナット:淀の土を愛する「復活の古豪」
3勝を挙げている京都、ここがこいつの「庭」だ。前走は3ヶ月の休み明けで反応が悪かったが、函館2600mを勝ち抜くスタミナは証明済み。今回の2400m延長は、まさに望むところだろう。
5歳世代の意地を見せ、得意の舞台でどこまで巻き返せるか。前走のガス欠を糧に、ホームグラウンドで本来の走りを取り戻せるかどうかの、正念場の一戦だ。
オールナットの鳴尾記念(10着)の真実
1. 斤量「58kg」の重み
今回の出走メンバーで58kgを背負っていたのはオールナットのみです。
• 1着 デビットバローズ:57kg
• 2着 センツブラッド:56kg
他の有力馬より重い斤量を背負わされていた事実は、**「過去に別定戦で加増されるだけの重賞実績(または収得賞金)」**があることを示しています。実績馬でありながら10着に敗れたという点がポイントです。
2. 北村友一騎手のコメントの整合性
「もともとピリピリしてテンションの高かった馬が凄く穏やかになってきたので、1800メートルだといいリズムに乗っていけない」このコメントは「この馬の過去の全盛期(または条件戦時代)」と比較していると解釈するのが正解です。
以前: 気性の激しさをスピードに変えて、1800m〜2000m付近で結果を出してきた。
今回: 休み明け(または成長)で精神が大人になり、1800mの速い流れに対応する「必死さ」が欠けてしまった。
3. 敗因の再定義:スピード不足とズブさ
今回の鳴尾記念は、最初の1000m通過が57.0秒という非常に速いペースでした。58kgを背負ったオールナットは、後方のまま直線でも差を詰められず、上がり34.6秒に留まりました。これは、上位馬が33秒台の脚を使う中では「スピード負け」です。
今後の結論:どこで狙うべきか菊花賞という過酷な3000mを経験していないにもかかわらず、騎手が「距離があった方がいい」と進言した事実は、**「この馬が現在、中距離のスピード勝負に限界を感じている」**ことを強く裏付けます。
• 次走の狙い: 2000m以下のGIIIを使い続けるよりも、2400m(日経新春杯など)や、ゆったり運べる非根幹距離の長距離戦に矛先を向けてきた時が、変わり身のチャンスです。
• 評価の修正: 「重賞実績があるゆえの58kg」で「1800mのスピード決着」に敗れただけなので、適性が伸びる次走以降、斤量が他馬と同等(別定57kgやハンデ戦)になれば、十分巻き返し可能です。
デニィの独り言:ハンデの「差」が教える真実
「前走より軽い」ってのは、馬にとって最高のカンフル剤だ。身軽になったヤマニンとコーチェラ、そして舞台適性に賭けるオールナット。
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