【平安S】歴代級の激走!ダート界の新たな潮流アウトレンジ優勝、レヴォントゥレットの激走!
今年の平安ステークスは、単なる一重賞の枠を超え、今後のダート界を占う上で極めて重要な一戦となりました。優勝したアウトレンジを筆頭に、上位陣が叩き出した驚異的な上がり時計は歴代でも稀に見る記録。そして、常識破りのスタミナを見せた逃げ馬レヴォントゥレット、さらにはまるで「瞬間移動」したかのような末脚で2着に飛び込んだロードクロンヌ。これらの馬たちが織りなしたドラマは、まさに新時代の到来を予感させるものです。
平安S【レース結果】

平安Sダ1900京都G3
2025/5/24(土) 2回京都9日 11R
平安ステークス G3
4歳上オープン (国際)(指) 別定
ダ右1900m 16頭 稍重
2025年 平安ステークスの結果着順上位5頭は以下の通りです(JRA発表より)。
1着:◯アウトレンジ (4人気)
2着:✕ロードクロンヌ (2人気)
3着: レヴォントゥレット (10人気)
4着:◎ジンセイ (5人気)
5着:▲タイトニット (7人気)
2025年 平安ステークスの払戻金は以下の通りです(JRA発表より)。
* 単勝: 7番 (アウトレンジ) 600円
* 複勝:
* 7番 (アウトレンジ) 240円
* 6番 (ロードクロンヌ) 200円
* 12番 (レヴォントゥレット) 920円
* 枠連: 3 – 4 600円
* 馬連: 6 – 7 1,570円
* ワイド:
* 6 – 7 730円
* 7 – 12 4,480円
* 6 – 12 2,860円
* 馬単: 7 → 6 3,180円
* 3連複: 6 – 7 – 12 20,600円
* 3連単: 7 → 6 → 12 83,590円
ご注意:この結果と払戻金は速報に基づいています。必ずJRA(日本中央競馬会)の公式発表をご確認ください。
レース回顧
2025年 平安ステークス レース回顧:高速上がりが生んだ「前残り」の激戦
今年の平安ステークスは、勝ち時計1分57秒2(上がり3ハロン35秒1)、900m通過56秒2というラップが示す通り、スローペースが明確な「前残り」の展開となりました。
特筆すべきは、過去10年間で最も速い上がり3ハロン35秒1を記録したこと。しかも逃げ馬が35秒6という驚異的な上がりを使っていることから、後方待機組には為す術がない厳しいレースであったと言えるでしょう。
まるで短距離の高速馬場で記録されるような上がりの速さを、先行勢が悠々とマークした結果、後続は直線で差を詰めることができませんでした。これは、単に先行馬が速かっただけでなく、全体のペースが緩やかだったために、彼らが脚を温存し、最後の直線で爆発的な末脚を使えたことを意味します。

松山弘平、勝利への「頭脳」と「嗅覚」!淀のダートを読み切った見事な手綱さばき
逃げたのは鮫島克駿騎乗の人気薄レヴォントゥレット、続く…アウトレンジ。
スタート直後、松山弘平騎手の脳裏には何が映っていたのか?アウトレンジを好位4番手に収めた一連の動きは、単なる反射的な操作ではなかったでしょう。今年のNHKマイルカップで、パンジャタワーを導き、多くの予想を裏切る勝利をもたらした彼の「読解力」と「判断力」は、既に証明済みです。今日の京都ダートで、逃げ馬が異例の速い上がりを使う「前有利」の馬場状態。
これを松山騎手は、瞬時に読み取ったのか、それとも緻密な計算の末に導き出した結論だったのか。彼の眼差しは、刻々と変化する馬場の「声」を捉えていたに違いありません。蹄の感触、先行馬たちの息遣い、そして何よりも、自身の経験が積み重ねてきたデータ。それらが織りなす情報を瞬時に処理し、「ここで前に行かなければ、勝機はない」と、彼の直感が強く訴えかけたのかもしれません。
あるいは、レース前のトラックマンの言葉、調教師との綿密な打ち合わせ、そして自身の馬に対する深い理解が、この「前有利」という結論を導き出していた可能性もあります。いずれにせよ、あの完璧なポジショニングは、「今日の京都ダートは前が止まらない」という、松山弘平騎手独自の明確な答えに基づいていたはずです。
その答えが、瞬間のひらめきだったのか、あるいは熟考の末の必然だったのか。彼の冷静沈着な表情の奥には、勝利への確信が静かに燃えていたことでしょう。松山弘平騎乗のアウトレンジが先行集団の4番手につけたすぐ後ろには、2番人気のロードクロンヌが藤岡佑介騎手を背に続き、さらに川田将雅騎手のジンセイがその背後を追走します。一方で、1番人気のブライアンセンスを駆る岩田望来騎手と、現在リーディング3位の坂井瑠星騎乗タイトニットは、少し離れた中団に位置を取りました。
と、ここまでが好スタート組の華やかな舞台裏。その一方で、まるで「やれやれ、重いったらありゃしない」とでも言いたげに、59kgという仁王立ちのようなトップハンデを背負ったメイショウハリオと、その手綱を握るベテラン浜中俊。そして、これ見よがしに「僕たちは人気がありませんから」と言わんばかりの人気薄の面々が、ご一行様で後方待機。まるで、渋滞に巻き込まれたバスツアーのように、ゾロゾロと最後尾からのんびり出発していった
「消えない影」の粘り!レヴォントゥレット、常識を覆す執念の激走
最終直線へ向かう4コーナーでは、内ラチ沿いからレヴォントゥレットが粘り、その外にはレジェンド武豊騎乗のマーブルロック、そしてアウトレンジ、ジンセイ、タイトニットが加わり、各馬が横一列に広がる大接戦の態勢でコーナーを回っていきました。
4コーナーを回っても、内ラチ沿いのレヴォントゥレットのスタミナは驚異的だった。まったくスピードが落ちないどころか、グイグイと後続を突き放しにかかる。この予想外の粘り込みに、すぐ外につけていたはずのアウトレンジやジンセイといった先行勢は、まるで罠にかかったかのように一瞬、色めきだった。
彼らの鞍上からは、「え、まだ行くのか!?」という焦りの色が読み取れるかのように、わずかに動きが硬くなったように見えた。直線に入り、驚異的な粘りを見せるレヴォントゥレットに対し、残り200mでついにアウトレンジが並びかけ、豪快に交わし去りました。その直後を追走していたジンセイ、タイトニットも懸命に食らいつこうとしましたが、前の2頭のような伸びは見せず、徐々にその差が広がっていきます。
しかし、アウトレンジが完全に抜け出したかに見えた残り50m。すでに1馬身ほどリードを奪ったはずのアウトレンジの視界の片隅に、まだレヴォントゥレットの影がちらつく。まるでスタミナが無尽蔵であるかのように、一度は交わされたはずのレヴォントゥレットが、それでもまったくスピードを落とさない驚異的な粘りを見せていたのです。
このしぶとさには、アウトレンジを追いかける後続の先行勢、特にジンセイやタイトニットの騎手たちは、「え、まだいるの?いやいや、冗談でしょ?」とばかりに、思わず目を擦ってレヴォントゥレットを二度見したことでしょう。彼らにとっては、まるで悪夢か幻を見ているかのような、滑稽なまでの執念が、焦りを一層募らせる光景に映ったに違いありません。

衝撃の結末!ロードクロンヌが魅せた「瞬間移動」の末脚
残り50mを過ぎ、アウトレンジが1馬身ほど抜け出し、粘るレヴォントゥレットの影がなおもちらつく中、この隊列で決まったかに見えたその瞬間――。
外から白い勝負服を輝かせ、まるで**「瞬間移動」でもしたかのように、ロードクロンヌが猛然と、そして一瞬の隙をついて喰らいついてきたのです。** 藤岡佑介騎手の叱咤に応え、文字通りワープしたかのような鮮烈な末脚で、伸びを欠いていたジンセイ、タイトニットを一気に抜き去り、2頭の前に躍り出ました。
結果、アウトレンジが1着でゴール板を駆け抜けた刹那、そのわずか1馬身半後ろに、驚異的な伸びを見せたロードクロンヌが2着で飛び込み、そして最後まで粘り抜いたレヴォントゥレットが3着を死守。伸び切れなかったジンセイは4着、タイトニットは5着という結果に終わりました。ロードクロンヌの常識破りの末脚が、最後の最後にレースを劇的に彩ったのでした。
参考データ
【参考データ】
過去3年間タイム/上がり/900m通過タイム
2024年 1,57,4/37,0/54,9 良
2023年 1,59,8/39,4/55,9 稍重
2022年 1,57,0/35,9/55,7 良
※過去の記録
2011年東海S(京都ダ1900)不良
1着ワンダーアキュート/1,53,7R/35,1
逃げ馬1,53,8/35,4/900m通過54,5
※上がりデータ
•2024年みやこS(1800)重
サンライズジパング/37,1
•2019年室町S1200不良
モンペルデュ/1,09,0R/34,7
4着カフジテイク1,09,8/34,1※産駒テイクアチャンス牝23年生
•2016年天王山S(1200)稍重
ニシケンモノノフ1,10,4/34,8
•2014年すばるS(1400)重
ベストウォーリア1,21,7R/34,9
•2013年室町S1200稍重
4着ファリダット1,09,9/34,4追い
※カフジテイク(ミスプロ4×3)生産頭数3
【馬券考察】
