豪脚炸裂!カムニャック第86回優駿牝馬に!3着人気薄タガノアビーで波乱決着

2025年の優駿牝馬(オークス)は、東京競馬場の芝2400mを舞台に、3歳牝馬の頂点を決める一戦として注目されました。終わってみれば、4番人気カムニャックが優勝、2番人気アルマヴェローチェが2着、そして10番人気タガノアビーが3着に入線し、3連単13万馬券という大波乱の結果となりました。

第86回優駿牝馬【結果】

オークス

2025/5/25(日) 2回東京10日 11R
優駿牝馬 G1
3歳オープン (国際)牝(指) 馬齢
■芝左2400m (Bコース) 18頭 良

2025年 オークス 着順結果
1着:  カムニャック (4人気)
2着: ◯アルマヴェローチェ (2人気)
3着: △タガノアビー (10人気)
4着: ✕パラディレーヌ (7人気)
5着: ✕リンクスティップ (3人気)
2025年 オークス 払戻金
* 単勝: 15番 カムニャック 1,430円 (4番人気)
* 複勝:
* 15番 カムニャック 340円 (4番人気)
* 1番 アルマヴェローチェ 160円 (1番人気)
* 13番 タガノアビー 700円 (10番人気)
* 枠連: 1-7 1,590円 (6番人気)
* ワイド:
* 1-15 900円 (6番人気)
* 13-15 3,890円 (35番人気)
* 1-13 1,900円 (20番人気)
* 馬連: 1-15 2,470円 (6番人気)
* 馬単: 15-1 6,700円 (23番人気)
* 3連複: 1-13-15 21,380円 (60番人気)
* 3連単: 15-1-13 130,640円 (326番人気)

【レース回顧】

人馬一体、駆け引きの時

先行争い
外枠から飛び出したのは、ピンクの帽子に身を包んだエリカエクスプレス。戸崎圭太騎手を背に、まるで桜花賞の再現を思わせるような積極的な逃げを見せます。

追走集団
その後ろ、内ラチ沿いの好位4、5番手には、2番人気に推されるアルマヴェローチェが岩田望来騎手と進出。そのすぐ隣には、早くも行きたがるそぶりを見せる1番人気エンブロイダリーとルメール騎手が、必死にその気を抑え込みながら追走しています。
中団から後方
中団の外目には、忘れな草賞の勝ち馬で穴人気の一角、サヴォンリンナと北村友一騎手が虎視眈々。さらにその後ろ、中団やや後方には丹内祐次騎手騎乗の穴人気パラディレーヌ。そして、フローラSを制したカムニャックがシュタルク騎手と共に控えます。
後方待機
3番人気のリンクスティックはデムーロ騎手を背に後方待機策。そして、牝馬としては破格の馬体496kgを誇るタガノアビーと藤岡佑介騎手は、最後方から気分良さそうにレースを進めています。
向こう正面:人馬一体、駆け引きの時
向こう正面に入り、隊列はおよそ20馬身もの縦長に伸び切った。各騎手は、自らのパートナーとの手綱を通したコミュニケーションで、意思の疎通を図りながら、このタフな長丁場を乗り切るためのスタミナ温存に徹している。
しかし、全ての馬が素直に騎手の指示に従うわけではない。

一筋縄ではいかないパートナーたち

先行集団の内ラチ沿いで脚を溜めるアルマヴェローチェは、鞍上の岩田望来が促すたびにわずかに耳を絞り、まだ消耗したくないとでも言うように首を振る。
人馬の信頼関係が試される瞬間だ。その隣、1番人気のエンブロイダリーは、ルメールが懸命に抑え込んでも、溢れんばかりの闘志が全身から漲っている。行きたがるのを必死でなだめるルメールの手綱捌きは、まさに綱渡りだ。もしここで折り合いを欠けば、最後の直線で脚が残らない可能性もある。
一方、中団のパラディレーヌは、丹内祐次がそっと首を撫で、機嫌を取りながらの追走。時折、外の景色に気を取られるそぶりを見せるが、丹内は落ち着いた手つきで集中を促している。そして、最後方から悠然と進むタガノアビーは、藤岡佑介の指示に逆らうことはないものの、どこかマイペース。大柄な馬体を持て余すことなく、それでいて気まぐれにフワッと浮き上がるような素振りを見せるたび、藤岡は鞍上でバランスを取り直す。
この長く続く向こう正面で、人馬それぞれの駆け引きが繰り広げられている。互いの呼吸を合わせ、わずかなサインを読み解き、そして時には粘り強く対話を続ける。それが、栄光への扉を開く鍵となるだろう。

優駿牝馬、刹那の攻防

第4コーナーを回ると、目の前には高低差2.1mの緩やかな上り坂と、525mにも及ぶ長い直線が待ち構えていた。
先頭を行くのはエリカエクスプレスとケリフレッドアスク。しかし、ここで先行集団に異変が起こる。フラワーカップを制した坂井瑠星騎手鞍上のレーゼドラマ、そして田辺裕信騎手が手綱を取るサタデーサンライズが、まさかの失速。その間隙を縫って、中団から力強く伸びてきたアルマヴェローチェが一気に前を捉え、交わし去った。残り
200m。先頭に躍り出たのは、紛れもなくアルマヴェローチェだ。その真後ろからはパラディレーヌが猛追し、外からはフローラSで見せた豪脚を再び繰り出すカムニャックが迫る。そして、内ラチ沿いからは「外では間に合わない!」とばかりに活路を見出した藤岡佑介騎手が、穴馬タガノアビーと共に最後方から怒涛の追い込みを見せ、見る者の度肝を抜いた。
「輝かしい瞬間」を掴むため、岩田望来騎手の右鞭がアルマヴェローチェを必死に鼓舞する。懸命に首を伸ばし、先頭をひた走るその漆黒の馬体に、荒波のように押し寄せるカムニャックがついに並びかける。二頭の馬体は激しくぶつかり合い、互いに一歩も譲らぬまま、火花を散らす併走が続く。
先に抜け出したはずのアルマヴェローチェにとって、ゴール板までの残り数完歩は、永遠とも思えるほどに長く感じられた。まるで時が止まったかのように、目の前の景色がスローモーションになり、一完歩ごとに栄光が遠のいていくような錯覚に陥る。必死に前へ前へと脚を繰り出すアルマヴェローチェの呼吸は荒く、その瞳には勝利への渇望と、あと一歩が届かない焦りが入り混じっていた。

優駿牝馬、明暗を分けたアタマ差の激闘

馬体を並べたままゴール板を駆け抜けた二頭。写真判定の結果、軍配はカムニャックに上がった。
わずかアタマ差、死闘を制し、ついに優駿牝馬の栄冠をその手につかんだのだ。一方、その歓喜の裏で、岩田望来騎手とアルマヴェローチェは、またしても夢破れた。桜花賞でのクビ差2着に続き、再びの惜敗。ゴール板までの数完歩が永遠に感じられたであろうアルマヴェローチェの心中には、届かなかった頂への悔しさが、深く、重くのしかかっているに違いない。
3着には、メンバー最速の上がりをマークしたタガノアビーが猛追し、4着にパラディレーヌ。そして5着には、穴人気に応えるように追い込んできたリンクスティックが入線した。
単勝1番人気に推された桜花賞馬エンブロイダリーは、直線で前が壁になる場面があり、懸命に進路を探したが、たとえスムーズな競馬ができていたとしても、上位争いに加わることは難しかっただろう。終わってみれば、4番人気、2番人気、10番人気での決着。3連単は13万馬券という大波乱の優駿牝馬となった。

馬券考察

再び、軸馬の呪縛

またしても軸馬が馬群に沈み、悔しい結果となりました。
痛恨の選択ミスであることは否めません。しかし、対抗に抜擢したアルマヴェローチェが2着に粘り込み、最低限の役割は果たしてくれたのがせめてもの救いです。それでも、本命、対抗、単穴の中に勝ち馬がいないというのは、馬券的には厳しいの一言に尽きます。
これまでは、BOX買いを基本とし、着順の入れ替わりはさほど気にせず、いかに3着以内に入る馬を選び出すかに注力していました。しかし、今回の結果を受けて痛感したのは、やはり「単」にこだわる重要性です。今後は、勝ち切る馬を見極める目を養い、より精度の高い軸馬選定を心がけていきたいと思います。

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