【王者の帰還か、新星の奪取か】2026年 根岸ステークス:純粋能力&冬適性・完全解析ファイル
「データはあくまで過去のもの。今の馬の状態と、冬の砂を蹴立てるパワー、そして陣営が描く『勝負の青写真』こそが真実を語る。」
今年の根岸ステークスは、前年覇者エンペラーワケアを筆頭に、重賞級の賞金を積み上げた猛者たちがズラリと顔を揃えた。しかし、この厳寒期のダート1400mは、単なるスピード自慢が勝てるほど甘くはない。乾燥した冬のタフな馬場を苦にしない代謝の良さ、そしてフェブラリーSを見据えた「叩き」か、あるいはここを「大目標」としたメイチの仕上げか。
本記事では、過去10年の傾向というフィルターを一度すべて取り払い、各馬が持つ「純粋な能力値」と「冬のバイオリズム」を徹底検証。サンデーファンデーの激走を見抜いた筆者が、砂の絶対王座に最も近い一頭を浮き彫りにする。
根岸S【有力馬診断】
インユアパレス 能力・適性分析
- 1. 能力値と近況の勢い直近のパフォーマンスは「本格化」の一言に尽きます。
- 神無月S(OP)の衝撃: 前走は59kgという極めて重い斤量を背負いながら、東京ダート1400mを1分22秒1で快勝。このタイムは同条件のオープンクラスとしても優秀で、G3なら即通用するレベルです。
- S指数の安定: 直近のS指数(スピード指数)は90前後で安定しており、エニフS(1着)や東海S(2着・勝ち馬ヤマニンウルス)でも高いパフォーマンスを示しています。
- 成長力: 2024年末から2025年にかけて一気に地力を上げ、現在は「ダート1400mのスペシャリスト」としての地位を確立しています。
- 2. コース適性(東京ダート1400m)今回の舞台、東京ダート1400mは彼にとって「最高の条件」と言えます。
- 左回りの鬼: 東京コースでは神無月Sでの勝利を含め、常に上位。中京(左回り)の東海Sでも2着と、サウスポーとしての適性が非常に高いです。
- 脚質とコースの相性: このコースは芝スタートでスピードに乗りやすく、直線が長いため「決め手」が重要になります。インユアパレスは中団から上がり34〜35秒台の脚を使えるため、東京の長い直線は追い風になります。
- 3. 12月〜2月の成績傾向(冬場の適性)寒冷期の成績を振り返ると、非常に面白い傾向が見えます。
- 冬の実績:
- 2025年2月 令月S:2着
- 2024年12月 カペラS:9着(1200mは忙しかった印象)
- 2024年2月 未勝利:1着
- 傾向分析: 厳寒期の成績は【1-1-0-1】。唯一の着外であるカペラSは距離不足と激流に巻き込まれたもので、冬のタフな馬場や気温自体は全く苦にしません。むしろ、米国産馬らしいパワーがあり、乾燥した冬のパサパサなダートでも力強く伸びてきます。
ウェイワードアクト 能力・適性分析
1. 能力値と底知れぬ安定感この馬の最大の特徴は、どんな展開・馬場・斤量でも崩れない圧倒的な精神力と地力です。
驚異の複勝率100%: 11戦して一度も3着以内を外していない(6-3-2-0)のは、オープン馬として極めて稀な記録です。
斤量克服力: 近4走は57〜58kgを背負いながら、1着2回、2着2回。前走の霜月S(58kg)で見せた1.23.3の快勝は、G3レベルの能力を証明しています。
S指数の高さ: アハルテケSで見せた92.3は、今回のメンバーでもトップクラス。東京ダートでの絶対的な信頼感があります。
2. コース適性(東京ダート1400m)
東京ダートは【5-1-2-0】と、もはや「庭」と呼べるレベルの適性です。
左回り+長い直線の申し子: マクリーンズミュージック産駒らしいスピードと、母父マジェスティックウォリアー譲りの持続力が見事に噛み合っています。
融通の利く脚質: 逃げて勝つこともできれば(アハルテケS)、中団から差して勝つこともできる(霜月S)。枠順や展開に左右されない強みがあります。
1400mへのシフト: 以前は1600mが主戦場でしたが、近走は1400mでよりキレる脚を使えるようになっています。
3. 12月〜2月の成績傾向(冬場の適性)この馬も冬場に非常に強いタイプです。
厳寒期の実績:
2025/2/16 バレンタインS:2着(クビ差)
2025/1/11 すばるS:2着
2024/12/1 ギャラクシーS:2着
傾向分析: 意外にもこの時期は「2着」が多いのですが、これは勝ち馬を深追いしすぎたり、目標にされたりした結果。内容自体は極めて濃く、540kg前後の大型馬らしく、乾燥して時計のかかる冬のタフな馬場でもパワーで押し切ることができます。
エンペラーワケア 能力・適性分析
1. 能力値:現役屈指の1400mスペシャリスト
この馬の能力は、すでにG1レベルにあることは疑いようがありません。
圧倒的なS指数: 2024年の根岸Sで見せた93.5という指数は、今回のメンバーの中でも突出しています。これはG1勝ち負けレベルの数字です。
高い勝率と安定感: 14戦7勝、複勝率85.7%。特に1400m戦では、地方の小回りを除けばほぼ完璧なレース運びを見せています。
斤量への耐性: 欅SやエニフSでは59kgを背負って連対しており、パワーも現役トップクラス。今回の別定戦での斤量も大きな不利にはなりません。
2. コース適性(東京ダート1400m)
まさに「ベストオブベスト」の舞台です。
東京1400mの実績: 根岸S(1着)、欅S(2着)と、このコースでは現役最強クラスのパフォーマンスを誇ります。
ロードカナロア×カーリン: スピード(カナロア)と持続力・パワー(カーリン)のバランスが素晴らしく、芝スタートで勢いをつけて、直線の坂を力強く駆け上がるこのコースの形態に完璧にフィットしています。
3. 12月〜2月の成績傾向(冬場の適性)
この馬にとって冬は、重賞タイトルを手にした「最も得意な季節」です。
厳寒期の実績:
2025/2/23 フェブラリーS:5着(1600mは少し長い印象)
2024/1/28 根岸S:1着
2023/12/17 御影S:1着
傾向分析: 1400mに限れば冬場は無敵に近い状態です。大型馬(530〜550kg)でありながら、冬の乾燥したダートでも脚が鈍りません。むしろ、湿った馬場よりも良馬場のパサパサしたダートで他馬が苦しむ中、一頭だけ違う手応えで上がってくるパワーがあります。
オメガギネス 能力・適性分析
1. 能力値:現役屈指の「東京巧者」
指数の出方が極端で、ハマった時の強さはG1級です。
驚異のS指数 94.2: 2025年10月のグリーンチャンネルCで見せた数字は圧巻。「60kg」を背負いながら、東京1600mで後続に0.7秒差をつける圧勝劇は、能力の証明以外の何物でもありません。
ムラのある成績: 強い時は手が付けられませんが、武蔵野S(7着)やフェブラリーS(14着)のように、人気を背負って呆気なく沈むこともあります。精神的なムラ、あるいは揉まれた時の脆さが課題です。
2. コース適性(東京ダート1400m)
これまで1600m〜1800mを主戦場にしてきましたが、今回の1400mへの短縮がどう出るかが鍵です。
東京ダート成績: 【2-0-1-2】。数字以上に「東京なら走る」イメージが強い馬です。
距離短縮の是非: ロゴタイプ産駒で母父ハービンジャー。本来は中距離向きの血統ですが、近走の行きっぷりを見ると、1400mの淀みない流れの方が集中力が続く可能性があります。特に東京の長い直線は、この馬の持続的な末脚を活かすには最適です。
3. 12月〜2月の成績傾向(冬場の適性)
ここは少し懸念材料があります。
厳寒期の実績:
2025/1/26 プロキオンS:7着
2024/2/18 フェブラリーS:14着
2024/1/21 東海S:2着
傾向分析: 冬場の成績は【0-1-0-2】。1月の東海Sで2着があるものの、ここ2年の2月前後は案外な結果に終わっています。大型馬で絞りづらいのか、あるいは乾燥したパサパサの良馬場よりは、少し湿り気のある時計の出る馬場(グリーンチャンネルCのような不良・稍重)の方が、圧倒的なパフォーマンスを発揮する傾向があります。
サントノーレ 能力・適性分析
1. 能力値:地方馬の枠を超えた「怪物候補」
地方在籍ながら、そのパフォーマンスは中央重賞級です。
JBCクラシック3着の実績: 前走、ミッキーファイトやウィリアムバローズといった中央の猛者が集うJPN1で3着。逃げて粘り込んだ内容は、地力の高さを証明しました。
圧倒的な着差: フリオーソレジェンドCや京浜盃で見せた、2着を引き離す(1.7秒、1.5秒差)勝ちっぷりは、並の地方重賞勝ち馬のレベルではありません。
血統背景: 父エピカリス(米G2・2着)、母父サウスヴィグラス。まさに「ダートの王道」血統。中央の軽いダートへの対応力も秘めています。
2. コース適性(初の中央・東京ダート)
ここが最大の分岐点になります。
東京ダート1400m: 門別・大井・川崎・船橋と渡り歩いてきましたが、東京の芝スタートと長い直線は「未知の領域」です。
スピードへの対応: 母父サウスヴィグラスの血が騒げば、1400mのスピード決着にも対応可能ですが、近走は1800m〜2100mで結果を出しており、少し「追走が忙しくなる」リスクはあります。
左回りは歓迎: 川崎や船橋(左回り)で強い勝ち方をしており、東京コース自体の周り方は問題ありません。
3. 12月〜2月の成績傾向(冬場の適性)
この馬は冬のタフな馬場が大好物です。厳寒期の実績:
2025/2/24 かきつばた記念:6着(距離短縮と遠征が響いたか)
2024/2/14 雲取賞:3着
2023/12/13 全日本2歳優駿:3着
傾向分析: 2月の成績は一見目立ちませんが、内容は濃いものです。地方の深い砂で培ったパワーは、乾燥してタフになった冬のJRAのダートでも大きな武器になります。
ダノンフィーゴ 能力・適性分析
1. 能力値:一戦ごとに跳ね上がる指数
この馬の魅力は、底知れない「上昇曲線」にあります。
S指数の急上昇: 前走コールドムーンS(OP)でマークした91.9。これは、古馬オープンの壁を軽々と突破したことを意味します。3走前の90.2(2勝クラス)から、わずか数ヶ月で重賞勝ち負けレベルまで能力を引き上げてきました。
圧倒的な決定力: 9戦5勝。特に近2走(銀嶺S、コールドムーンS)の勝ちっぷりは、着差以上に余裕を感じさせるものでした。
超エリート血統: 父Into Mischief(米リーディングサイアー)×母父Candy Ride。米国ダートのスピードの結晶のような配合です。この血統が4歳を迎え、日本の砂に完全にフィットしてきました。
2. コース適性(東京ダート1400m)
今回の舞台設定は、彼にとって「確変条件」です。
東京1400mの実績: 2走前の銀嶺Sでは、中団から35秒台の脚を繰り出して完勝。東京の長い直線でも脚が鈍らないことは証明済みです。
芝スタートへの対応: 近走の行きっぷりの良さから、芝スタートの東京1400mはむしろポジションを取りやすく、絶好の条件と言えます。
3. 12月〜2月の成績傾向(冬場の適性)
「冬のダノン」と呼びたくなるほど、この時期の安定感は抜群です。
厳寒期の実績:
2025/12/21 コールドムーンS:1着
2025/2/23 ヒヤシンスS:6着(当時はまだ馬体が完成途上、かつ1600m)
傾向分析: 去年の2月(ヒヤシンスS)こそ敗れていますが、そこから1年で体質が劇的に強化されました。前走の12月の中京で見せた力強い走りは、冬の乾燥したタフな馬場こそ、父譲りの圧倒的なパワーが活きることを示しています。
ビダーヤ 能力・適性分析
1. 能力値:オープンクラスの「門番」から「主役」へ
19戦という豊富なキャリアの中で、大崩れしない安定感が最大の武器です。
対インユアパレスの実績: 2025年5月の欅S(OP)で、今回人気の一角となるインユアパレスをクビ差で抑えて勝利しています。同じ舞台、同じ距離で勝ち切っている事実は、今回のメンバーでも最上位の評価に値します。
ハイレベルな指数: 武蔵野S(G3)で3着に入った時のS指数91.1は極めて優秀。重賞でも勝ち負けできるスピードを証明済みです。
タフな精神力: 2024年末から月1ペースに近い頻度で使われながら、直近もリステッド(すばるS)で3着。デキ落ちどころか、使うごとに走りが研ぎ澄まされています。
2. コース適性(東京ダート1400m)
まさに「ベストパフォーマンス」を発揮できる舞台です。
東京1400mの実績: 欅S(1着)、鎌倉S(1着)と、東京1400mは【2-0-0-0】。勝率100%です。
脚質の自在性: 中団から鋭く伸びる脚を持っており、東京の長い直線は追い風。芝スタートも、元々芝でデビューして勝ち上がった馬だけに、むしろ他馬よりスムーズに加速できます。
3. 12月〜2月の成績傾向(冬場の適性)
ここがこの馬の「真骨頂」です。
厳寒期の実績:
2026/1/10 すばるS:3着
2024/12/21 1勝クラス:1着
2024/2/4 新馬:3着
傾向分析: 冬場は【1-0-3-1】と、ほぼ掲示板を外していません。リアルスティール産駒は冬場に体調を崩しにくい傾向があり、乾燥したパサパサのダートでもしっかりと脚を使えます。また、使い詰めでもへこたれない矢作厩舎の管理能力も相まって、この時期の安定感はメンバー随一です。
ロードフォンス 能力・適性分析
1. 能力値:堅実無比な「東京1400mの番人」
爆発力ではオメガギネスに譲るかもしれませんが、「大崩れしない」という点ではトップクラスです。
重賞級のスピード: 霜月Sで見せたS指数92.6は、エンペラーワケアに匹敵する数字。東京1400mなら現役屈指の能力を誇ります。
実績の裏付け: 地方JPN3(かきつばた記念)を勝ち、G1かしわ記念でも4着。中央・地方問わず、ハイレベルな混戦で常に上位に顔を出す勝負強さがあります。
斤量克服: 60kgを背負ったグリーンチャンネルCでも4着に踏ん張っており、今回の57kgは「裸同然」に感じるかもしれません。
2. コース適性(東京ダート1400m)
まさに「主戦場」です。驚異の東京1400m実績: 【3-2-1-1】。着外の1回も、馬体重が大幅に減っていた時のもの。万全の状態で東京1400mに出てくれば、馬券圏内を外す方が難しいほどの安定感です。
ロードカナロア×ダイワメジャー: スピードの持続力に特化した配合で、東京の長い直線でもバテずに伸び続ける「持続型末脚」が武器です。
3. 12月〜2月の成績傾向(冬場の適性)
「冬のロード」と言っても過言ではありません。
厳寒期の実績:
2025/2/24 かきつばた記念:1着
2025/2/2 根岸S:2着
2024/1/28 2勝クラス:3着
傾向分析: 冬場の成績は【1-1-1-0】。寒い時期に調子を上げるタイプで、馬体が絞れにくい冬場でもしっかり動ける代謝の良さがあります。パサパサの乾燥したダートでも、ダイワメジャー譲りのパワーで力強く突き進みます。
1,エンペラーワケア(前年王者)
2,ウェイワードアクト(連対率100%)
3,インユアパレス(勢い抜群)
4,ダノンフィーゴ(覚醒の4歳)
5,オメガギネス(ポテンシャルNO.1)
6,サントノーレ(地方の雄)
7,ビダーヤ(コース無敗)
8,ロードフォンス(前年2着・冬の鬼)
これ、「全頭の単勝を買っておけば当たる」と言いたいところですが、それでは馬券になりません(笑)。
次回は、この中から過去10年間の傾向性に照らし合わせた有力馬を選び出したいと思います。もしかすれば、このメンバー以外に隠れた伏兵が息を潜めている可能性も勿論否定できませんが……
その確率は極めて低いと考えるべきです。そのうえで、最後にどうしても違和感が残る(経験値が語りかける、第六感)時には、他のメンバーを深掘りして下さい。
思わぬ伏兵が見えてきます!
そうなれば、貴方の彗眼は一人前でしょう……
更に極めたなら…笑
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