ショウナンザナドゥ
酔いどれ競馬評論家デニィの辛辣な深読み!ショウナンザナドゥを斬る!
「ほうほう、ショウナンザナドゥか。名前からして、南国のリゾート地で生まれたような優雅な馬かと思いきや、レースぶりはなかなかどうして、荒くれ者だな。」
デニィは、グラスを傾けながら、競馬新聞に載ったショウナンザナドゥのデータを眺める。「未勝利戦では、2着のゼンダンハヤブサを5馬身ちぎる圧勝。タイムも優秀だし、これはもう怪物か。しかし、アルテミスSでは3着。惜しいレースではあったが、勝ち馬との差は歴然。一体、何が起こったんだ?」デニィは、ニヤリと笑う。
「これはな、競馬の面白いところなんだ。予想なんて、当たって砕けろの世界さ。いくら強い馬でも、レースは生き物。何が起こるかわからない。」
「フォームが綺麗で大きな飛びをしていて、筋肉がついてくれば面白い存在になるだろう」という評価について、デニィはこう語る。
「フォームが綺麗とか、大きな飛びとか、そんなもん、素人が言う感想だろ。競馬はね、数字で語られるものなんだ。血統、レースデータ、騎手の騎乗技術、これらが総合的に評価されて初めて、その馬の能力がわかる。」
「現状は馬体重が438キロしかないので、成長を待ちたい」というコメントについても、デニィは容赦ない。
「馬体重が軽いから成長が期待できる?そんな甘い考えは捨てちまえ。馬の成長は、必ずしも体重の増加を伴うとは限らない。むしろ、筋肉量を増やしながら無駄な贅肉を削ぎ落とすことが重要なんだ。」
「アルテミスSのレース後のコメントも、トレーナーのリップサービスに過ぎない。どんな馬でも、トレーナーは必ずこう言うものだ。『まだまだこれから』『もっと良くなる』ってね。でもな、現実はそんなに甘くない。
多くの馬は、2歳でピークを迎え、その後は衰えていく。ショウナンザナドゥも、もしかしたら、もうピークを過ぎているかもしれない。」デニィは、グラスを空にして、再び新聞に目を向ける。
「この馬、将来が楽しみだって?それは誰だ?競馬記者か?それとも、この馬の馬主か?そんな甘い言葉に騙されてはいけない。競馬は、夢とロマンを追いかける世界だ。しかし、同時に、冷酷な現実が待ち受けている世界でもある。」
「ショウナンザナドゥが、今後どんなレースを見せてくれるのか。それは誰にもわからない。ただ言えることは、競馬は常に予想外のことが起こるということだ。だから、競馬は面白い。そして、競馬は残酷だ。」
デニィは、再びグラスに酒を注ぎ、一口飲む。「さて、次のレースはどの馬に賭けてやろうか。」デニィの言葉は、競馬の厳しさと同時に、その魅力も教えてくれる。競馬は、勝つ喜びと負ける苦しみを味わえる、まさに人生そのものなのだ。