サンライズアース大敗!当たり散らすデニィ。石坂厩舎!大丈夫か?
夜蝶で巻き起こる、予想外の人間ドラマ妖艶な照明が店内を照らし、ジャズが静かに流れるバー「夜蝶」。そのカウンターには、いつもの常連客たちが集まっていた。32歳のママ、美咲は、その妖艶な魅力で店を盛り上げ、25歳の証券マン、祐一は、いつものように優柔不断な様子でカクテルを嗜んでいた。そんなある夜、店に突如として現れたのは、競馬評論家として有名なデニィだった。普段はテレビで見かけるような冷静沈着なデニィが、この日は様子がおかしい。
顔は真っ赤になり、興奮気味にカウンターに飛び乗ると、大きな声で叫び始めた。
「16着だって!?サンライズアースが!呪われてるんじゃないか、俺の本命が!」
デニィは、日経新春杯でサンライズアースの単勝を大量に買っていたという。しかし、結果は16着。予想外の惨敗に、デニィは怒り心頭だった。「石坂公一厩舎は大丈夫か?レースと言う名の『調教』じゃないんかい!一度も鞭使ってないし…まったく勝負になる仕上がりではないじゃないんかい!」デニィの言葉に、店内の空気が一変する。美咲は、いつもの冷静さを保ちながら、デニィをなだめる。「デニィさん、落ち着いてください。
競馬は予想が外れることもありますよ
それに、ロードデルレイの勝ち方も見事でしたし」美咲は、日経新春杯の結果について、客観的な視点から説明する。しかし、デニィは聞く耳を持たない。「ロードデルレイか…内枠有利の典型的なレースだったな。あの馬はスタートが速いから、内枠を引けば勝てるのは当たり前だ」デニィは、ロードデルレイの勝利を認めようとしない。あくまでも自分の予想が外れたことにこだわり、周囲を巻き込んでいく。祐一は、デニィの興奮ぶりに戸惑いながらも、美咲の冷静な対応に感心する。
美咲は、競馬の知識が豊富でありながら、感情的になることなく、客観的な視点で物事を捉えている。
「美咲さんって、本当にすごいですね。競馬のこと、何でも知ってるみたい」祐いは、美咲にそう言うと、日経新春杯について質問を始めた。美咲は、丁寧に祐一の質問に答えていく。「ロードデルレイは、直線での脚が特に目立っていましたね。あの脚を見れば、将来が楽しみな馬です」美咲の言葉に、祐いはうなずく。デニィは、相変わらず興奮した様子で、自分の意見を主張し続ける。「あの馬は、まだ若いから伸びしろがあるかもしれないな。でも、サンライズアースの才能を無駄にしたのは許せない!」デニィは、最後はため息をつき、グラスを飲み干した。「まあ、こんなこともあるさ。次のレースに期待しよう」美咲は、デニィの肩を優しく叩き、そう言った。
夜蝶の夜は、予想外の展開で幕を閉じた。デニィの予想外の結果に、店は騒然としたが、美咲の冷静な対応のおかげで、大きなトラブルにはならなかった。この夜、祐いは、美咲の新たな一面を発見した。競馬の知識だけでなく、人間関係を円滑にするための知恵も持っている。祐いは、美咲にますます惹かれていくのだった。一方、デニィは、今回の経験を糧に、次のレースに挑む決意を新たにしていた。夜蝶の夜は、これからも様々なドラマを生み出していく。
日経新春杯[結果]

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