エリカエクスプレスがフェアリーSを鮮やかに直線抜け出し快勝!道中から力強い走りを見せ、後続を突き放し重賞初制覇の栄冠
夜蝶と競馬新聞妖艶な夜の帳が下りる、寂れた街の一角。
バー「夜蝶」のママ、美咲は、その妖艶な佇まいで、常連客を惹きつけてやまない。32歳とは思えない色香と、知的な会話は、この店のムードメーカーだ。美咲は実は競馬の知識が豊富で、競馬記者並みの博識である。そんな美咲の店で、いつものようにカウンターに座っていたのが、25歳の証券マン、祐一。優柔不断な性格で、頼りない男。今日も競馬の話で持ちきりだ。
「祐一くん、今日のフェアリーS見た?」美咲が、妖艶な笑みを浮かべながら問いかける。祐一は、いつものように自信なさげに頷いた。
「うん、見たよ。でも、全然予想外だった」「そうね。エリカエクスプレス、強かったわね。先行して直線抜け出し、2着に3馬身差の圧勝だもの。しかも、勝ちタイムは過去10年で最も速い1分32秒8。新馬勝ちからここまでの成長は目を見張るものがあるわ」
美咲は、まるで競馬解説者のように、今日のレースを分析していく。祐一は、美咲の言葉に聞き入っていた。
「でも、美咲さんは、エリカエクスプレスを買ってたの?」祐一は、つい聞いてしまった。美咲は、少し考え込むような素振りを見せると、
「うーん、エリカエクスプレスは人気だったから、ちょっとね。私は、レイユールっていう馬に賭けたのよ。祐一くんも応援してたじゃない」美咲の言葉に、祐一は顔を赤らめた。
レイユールは、祐一が美咲に勧められた馬だった。しかし、結果は9着。416kgの華奢な馬体では、他の馬とのパワーの差が歴然だった。
「レイユールはね、華奢だけどスピードがある馬なの。でも、今日のレースはパワーが求められたみたいね。競馬って本当に難しいわ」美咲は、そう言うと、深いため息をついた。祐一は、そんな美咲の姿を見て、複雑な気持ちになった。
「美咲さんは、いつも競馬のことよく知ってるよね。どうしてそんなに詳しいの?」祐一は、いつも疑問に思っていたことを口にした。美咲は、少し照れながら、「昔ね、競馬にハマったことがあって。それからずっと、競馬のことは好きなの」
そう言うと、美咲は、カウンターに置かれた競馬新聞をめくり始めた。祐一は、そんな美咲の姿をじっと見つめていた。妖艶な夜の帳が、二人の間に静かに降りてくる。バー「夜蝶」の店内は、競馬の話で盛り上がっていた。
「祐一くん、次はシンザン記念ね。もう予想は決まってる?」妖艶な笑みを浮かべながら、美咲が尋ねる。フェアリーSの興奮冷めやらぬ店内で、次のレースの話に花が咲く。
「うん、アルテベローチェにしようかな。1番人気だし、期待できそうでしょ?」祐一は、自信なさげに答える。美咲は、そんな祐一を興味深そうに眺める。
「ふふ、祐一くんはいつも人気馬を選ぶのね。でも、競馬は人気馬が必ず勝つとは限らないのよ。私はね、アーリントンローって馬に注目してるの。7番人気だけど、前走の内容が良かったから」美咲の予想に、祐一は目を丸くする。
「え、アーリントンロー?そんなに人気ないのに?」
「人気がないからこそ、面白いじゃない。それに、祐一くんがアルテベローチェを選ぶなら、私はあえてアーリントンローを選ぶわ」美咲は、いたずらっぽく笑う。
「どうする?賭けようか。私が勝ったら、祐一くんは私に花をプレゼント。祐一くんが勝ったら、私がデートに付き合う」美咲の提案に、祐一は思わず顔を赤らめる。
「え、そんなの…」「どう?面白そうでしょ?」美咲は、キラキラした目で祐一を見つめる。逃げるように、祐一は頷いた。
シンザン記念当日、バー「夜蝶」は、いつも以上に熱気に包まれていた。美咲と祐一は、ソワソワしながらレースを見守る。レースの結果は、アーリントンローが3着、アルテベローチェが5着。どちらも上位には届かず、二人の賭けは引き分けとなった。
「まあ、こんなこともあるわね」美咲は、肩をすくめる。祐一は、ホッとしたような、物足りないような気持ちだった。「また、次のレースで勝負しようね」美咲の言葉に、祐一は笑顔で応えた。二人の競馬予想は、これからも続く。それは、単なる遊びではなく、二人の心の距離を縮める、大切な時間となっていた。
払戻金
- 2025年1月12日(日)
- フェアリーS
- 中山芝1600mG3
- 1着/△エリカエクスプレス 1,32,8
- 2着/◯ティラトーレ 3馬身
- 3着/ エストゥペンダ クビ
- 単勝 590円
- 馬連 12-13 2,700円
- 3連複 11-12-13 24,750円
- 3連単 12→13→11 105,960円
フェアリーSレース結果
2025年フェアリーS動画