最も懸念されるのが、今回が3ヶ月の休み明けであるという点です。過去5年の中山金杯における休み明け（中9週以上）の成績は**［1.1.2.20］**。

​勝率：4.2%​

複勝率：16.7%

​特筆すべきは昨年の例です。同じく1番人気に支持された4歳牝馬クリスマスパレードが、休み明けで挑み4着に敗退しました。冬のタフな中山2000mは、仕上がり途上の馬にとって想像以上に過酷な舞台であることを物語っています。

中山金杯における牝馬の成績は、過去10年以上にわたり**［0.2.0.15］**。勝率0%、連対・複勝率ともに11.8%と、極めて低い数値です。​

激走したククナやクリノプレミアムは、いずれも前走エリザベス女王杯で揉まれてきた「人気薄の実力馬」でした。1番人気という重圧を背負い、かつ「勝ち馬が一人もいない」牝馬というカテゴリーで、アンゴラブラックが歴史を塗り替えるのは容易ではありません。

4歳馬全体の成績は**［3.3.2.20］**と、一見好調に見えます。しかし、これら好走馬の多くは「斤量に恵まれた上がり馬」や「前走からの叩き2戦目」という背景がありました。アンゴラブラックのように、既に実績を積み上げ、休み明けで1番人気を背負う立場は、マークも厳しくなりデータ以上の苦戦が予想されます。

アンゴラブラックの「1番人気時：複勝率70%」という数字は、これまでの彼女のポテンシャルの証明です。しかし、中山金杯という特殊な条件下においては、以下の**「マイナス要素の三重奏」**が重なります。

​**「休み明け（複勝率16.7%）」**の鈍り​

**「牝馬（勝率0%）」**の歴史的ジンクス​

**「冬の中山」**特有の急坂と重い芝​

結論：能力的には最上位であることは間違いありません。しかし、馬券的妙味と過去の傾向性を天秤にかければ、**「頭（1着）固定で狙うにはリスクが最大化している」**と言わざるを得ません。​

「悪魔でも僅かにその傾向性が強く出ている」という言葉通り、このデータは的中を保証するものではありませんが、**「不的中を回避するためのフィルター」**としては極めて強力です。