ターコイズS回顧:明暗を分けた「内枠」と「立ち回り」の妙
中山の名物重賞、ターコイズステークス。終わってみれば「伏兵多し」の戦前予想通り、上位3頭が5・6・10番人気という波乱の結果になりましたね。
レース回顧&考察
1. レース展開:読みを覆した「前残り」の結末
事前の見立てでは「短距離路線組が引っ張るハイペースの前潰れ」が期待されていましたが、蓋を開けてみるとドロップオブライトやリラボニートが無理なく好位に収まるミドルペース。特筆すべきは上位3頭のコース取りです。勝ったドロップオブライト、2着リラボニート、そして3着ソルトクィーン。この3頭に共通していたのは、道中で内ラチ沿いの経済コースをロスなく立ち回ったことでした。
結果として、外から脚を伸ばそうとした差し馬勢にとっては、物理的な距離損が響く「前・内有利」の決着となりました。
2. 上位馬の評価:充実の6歳馬と、覚醒の4歳馬
- 1着:ドロップオブライト松若騎手の「二の脚でいい位置を取れたことが勝因」という言葉通り、絶妙なポジショニングでした。6歳にして重賞制覇、さらに松若騎手のJRA通算500勝というメモリアルな勝利。馬自身の充実ぶりが光りました。
- 2着:リラボニート内枠を最大限に活かした丹内騎手の好騎乗。アタマ差まで追い詰めた内容は、もはやフロックではありません。
- 3着:ソルトクィーン富田騎手が「勝てなくて悔しい」とこぼしたように、直線での伸び脚は出色。1角での不利さえなければ、突き抜けていた可能性すら感じさせる強い内容でした。
2. 激走!激アツ㊙️シングザットソングの評価
今回、最も「してやったり」だったのが、11番人気の低評価を覆したシングザットソングの激走ではないでしょうか!斎藤新騎手の手綱に導かれ、中団の内々でじっと我慢。直線でもバラけた内を突いてグイグイと伸びてきた姿には、思わず声が出ましたよね。
上位3頭には一歩届かずの4着でしたが、勝ち馬とはわずか0.3秒差。「展開さえ向けば……」という悔しさは残りますが、「内を突けばこの馬は来る」という読みはズバリ的中でした。1400mがベストと思われていた中で、この中山マイルでの踏ん張りは、今後のローテーションに大きな期待を持たせる内容でした!
3. 人気・注目馬の明暗:なぜ伸びきれなかったのか?
- ビップデイジー(10着)本命に推したビップデイジーですが、西村淳騎手は完璧に立ち回っていました。それだけに、直線での失速は「中山の急坂」と「1600mの距離」が重なった影響が大きそうです。これまでの実績通り、平坦コースや1400mで見直したい存在ですね。
- フィールシンパシー(5着)穴として期待した通り、外からしぶとく脚を伸ばして掲示板を確保。展開が向かない中でこの着順は、中山適性の高さの証明と言えるでしょう。
- ボンドガール・チェルビアット人気を集めた実力馬たちは、出遅れや進路塞がりなど、中山特有の「紛れ」に飲み込まれてしまいました。特にチェルビアットは出遅れながら上がり33.8秒。ゲートさえ五分なら……という消化不良の競馬でした。
次走へのメモ・教訓
- 今回のレースから学べる最大のポイントは、**「中山マイルは、能力以上に立ち回りの器用さと枠順がモノを言う」**ということです。
- シングザットソングは、今回の走りで改めて「どんな条件でも崩れにくい強さ」を見せました。次走、内枠を引けば迷わず「買い」ですね!
- ビップデイジーは、次走が京都や阪神の1400mなら即買いの反撃パターン。
- ソルトクィーンは賞金加算に失敗しましたが、重賞級の決め手があることを証明しました。
悔しい結果にはなりましたが、11番人気のシングザットソングを「激アツ」と見抜いた相馬眼は流石の一言(😁)。この鋭い視点を、また次回の予想に活かしていきます!
